top of page

センサリープレイにトレイは必要?集中力と創造力を高める活用法を解説

  • 2025年3月12日
  • 読了時間: 6分

更新日:1月20日


こんにちは。一般社団法人センサリープレイ協会 理事のさぴぴです。


「センサリープレイにトレイって必要ですか?」これは、保護者の方や保育者の方からとてもよくいただくご質問のひとつです。素材や感覚ベースが広がってしまう片付けが大変そう準備に時間がかかりそうそんな不安を感じている方も多いのではないでしょうか。実は、トレイを上手に活用することでセンサリープレイはぐっと取り入れやすくなり、子どもの集中力・創造力・感覚の育ちにも良い影響を与えます。


この記事では、

・センサリープレイにおけるトレイの役割

・初心者におすすめのトレイの選び方

・トレイを使うメリット

・トレイでできるセンサリープレイの具体例

・子どもの発達への影響(研究視点)まで、わかりやすく解説します。




トレイで大切なのは「何を使うか」より「どう使うか」


「どんなトレイを使えばいいですか?」という質問も多いのですが、実はトレイの種類そのものは最重要ではありません。一番大切なのは、子どもがトレイをどのように使って遊ぶかという点です。基本的に、トレイはどんなものでも使えます。「このトレイでなければダメ」という決まりはありません。ただし、センサリープレイ初心者の方にとって使いやすい条件はありますので、次にそのポイントをお伝えします。


センサリープレイ初心者におすすめのトレイ


初めてセンサリープレイを取り入れる場合は、以下のポイントを参考にしてみてください。

・プラスチック製(汚れても洗いやすい)

・水に強い素材(水遊びにも使える)

・縁が高く、素材がこぼれにくい

・丈夫で繰り返し使える

※ 使用人数や年齢に合わせてサイズを選びましょう。


トレイがなくても代用できるもの

専用トレイがなくても、身近なもので代用可能です。

・使わなくなった大きめのお弁当箱

・収納ケースのフタ

・大きめのお皿や植木鉢の受け皿

「今あるもの」で始められるのも、センサリープレイの良さです





トレイを使うメリット


① 遊びのスペースを整理できる

・素材が広がりすぎず、片付けが楽

・トレイごとに感覚ベースを分けられる (例:水専用・砂専用など)1つのトレイごとに異なる感覚ベースを設定できる(例:「水専用」「砂専用」など)


② 感覚体験がより豊かになる

・五感を刺激する素材を組み合わせやすい(お米・豆など)

・感触の違いを比べる・分類する体験ができる


③ 集中力が高まる

・「トレイの中で遊ぶ」という枠があることで、子どもが環境に集中しやすい

・細かい作業(仕分け・すくう・移す)が行いやすい(例:お豆の仕分け)


④ 多様な素材に対応できる

水・砂・泥・お米・豆・粘土・泡・氷など、さまざまな素材を安全に取り入れられます。


おすすめ素材例:

・お米・豆

・小麦粉・寒天

・砂・土

・シェービングフォーム

・氷・水

・絵の具・粘土

・ハンドソープの泡





トレイの中でできるセンサリープレイ例


▪️科学実験系センサリープレイ

・水と氷の違いを観察

・重曹×クエン酸×水の発泡反応

・浮く・沈むの比較

・片栗粉×水のダイラタンシー現象


▪️小さな世界あそび(スモールワールドプレイ)

トレイの中に世界をつくり、物語を広げる感覚あそび×ごっこ遊び。

・森:小石・枝・葉・動物フィギュア

・牧場:草・泥・牧場の生き物

・海:貝殻・水草・海の生き物

創造力・表現力・物語性が自然に育ちます。


▪️数あそび・分類あそび

・宝探し(砂やお米に数字カードを隠す)

・ボールすくい

・お豆の仕分けあそび

数える・比べる・分類する体験は、数学的思考の土台になります。






トレイ活用が子どもの発達に与える影響


① 空間認識力の向上(ピアジェの発達段階論

トレイの中で素材を動かしたり、何かを並べたりすることで、空間認識力(ものの位置やバランスを理解する力)が育ちます。研究によると、幼児期における立体構造の認識や空間配置の理解は、数学的思考の発達に影響を与えることが分かっています(参考文献: 中垣啓 (2013). ピアジェ発達段階論の意義と射程. 発達心理学研究)トレイの中で「どこに置けば安定するか?」「並べたらどう見えるか?」と考える遊びは、将来的な算数の概念につながります。


②自己調整能力の発達(エグゼクティブ・ファンクション理論)

トレイの中で遊ぶことは、子どもが自分で環境をコントロールする体験につながります。心理学の研究によると、子どもが自ら環境を整え、秩序を持って遊ぶことは、自己調整能力を向上させることが明らかになっています(参考文献: Diamond, A. (2013). Executive functions. Annual Review of Psychology,)


▪️自己調整能力とは、・計画を立てる力(どの素材をどこに置くか考える)・衝動を抑える力(遊びの順番を守る、適切に使う)・状況に応じて行動を変える力(遊び方を工夫する、変更する)


こうした力を指し、これらは将来的な学習能力や社会性の基盤となると言われています。例えば、「豆をスプーンですくって移す遊び」では、適切な量をすくう調整力が必要になります。「お豆の仕分け遊び」では、ルールを決めて整理する力が育ちます。こうした活動を繰り返すことで、子どもは遊びの中で自己調整能力を高めていくのです。


その他にも、トレイを使った積み木遊びでは、「高く積むにはどうすればいいか」「バランスを取るには?」など、自然と試行錯誤する力が養われます。


③感覚統合の発達(Ayresの研究)

センサリープレイは、五感を刺激する遊びです。トレイを活用することで、より効果的に触覚・視覚・聴覚・嗅覚・味覚を使った体験が可能になります。例えば、触覚の発達に関する研究(参考文献:Ayres, A. J. (1972). Sensory Integration and Learning Disorders. Los Angeles: Western Psychological Services.)では、子どもが異なる感触を体験することが、感覚統合の発達を促し、運動や認知能力の向上につながることが示されています。


▪️トレイの中に水・砂・豆・粘土などさまざまな素材を入れることで「冷たい」「サラサラ」「しっとり」「ザラザラ」などの触覚体験 ができる・色や形の違いを比べることで視覚的な識別能力が育つ・すくう、移す、混ぜる動作を通じて、手の巧緻性(細かい動きの調整力)が向上するこうした経験は、子どもが環境を理解し、適応する力を養うのに役立ちます。



トレイを取り入れることで、センサリープレイはより安全・快適・深い学びの時間になります。特別な道具がなくても大丈夫。今日からぜひ、身近なトレイを使ってセンサリープレイを始めてみてくださいね!



© 2026 一般社団法人センサリープレイ協会. All rights reserved. 当記事のコンテンツ(文章・画像等)の無断転載・転用を禁止します。
 
 
bottom of page