大阪万博で体感した“感覚あそび”の進化
- sanastitch
- 7月4日
- 読了時間: 4分
こんにちは、一般社団法人センサリープレイ協会の代表理事さぴぴです。
先日、今話題の大阪万博に行ってきました。入っただけで、まるで“巨大なセンサリープレイ空間”のようでわたしの中の感覚が何度も、ふるふると揺さぶられました。
そこで今回は、大阪万博の体験から感じた「センサリープレイの可能性」について、少しお話ししたいと思います。
1、「興味をひき出す仕掛け」が、あちこちに
まず感じたのは、子どもの「見たい・触れたい・試したい」を引き出す工夫があちこちに散りばめられていたこと。たとえば、クラゲ館「Playground of Life: Jellyfish Pavilion(いのちの遊び場 クラゲ館)」では、思わず触れたくなるぷにぷに素材に手を当てると、ほんのりと光る仕掛けが!大人も子どもも自然と手を伸ばし、「どうなってるの?」「わあ、柔らかい!」と声をあげながら夢中で触れていました。その“触れてみたい”という感覚のきっかけから、好奇心が次々と引き出されていく様子がとても印象的でした。

これはまさに、センサリープレイの本質でもある「感覚から始まる学び」の姿そのもの。しかもその対象が、子どもだけでなく大人にも広がっていることに、可能性の広がりを感じました。
2、デジタルと“感覚”がつながる空間
万博では、デジタル技術を活用したブースが数多く展開されていました。プロジェクションマッピングや、タッチに反応するインタラクティブな壁など、五感を刺激する仕掛けが満載。私自身もこれまでセンサリープレイにプロジェクターを取り入れる中でその可能性を感じていましたが、今回改めて、デジタル×感覚遊びの相性は抜群だと実感しました。
たとえば、動く光を追いかけることで「視覚×運動」の刺激が生まれたり、音や映像が変化することで「触覚×聴覚×視覚」が一体となって反応したり。
これからのセンサリープレイは、五感+テクノロジーで“第六感”にも触れるような体験になっていくのかもしれないそんなインスピレーションをもらいました。

3、“思わず触りたくなる”って、最強の設計
印象に残ったのは、ただ見るだけではなく「触れてOK」「むしろ触って!」と誘ってくれる仕掛けの数々。ツルツル、ザラザラ、冷たい… 水と光が映りこむ砂の演出、光の反射が、子どもたちの手を自然にのばさせていました。
“触れたくなる空間”は、“探究したくなる心”につながっていく。これはセンサリープレイの設計でも本当に大切にしていること。どんな教室でも、「手が出る」「足が止まる」「目が輝く」その瞬間が、感覚のスイッチになります。

万博には、そんな“スイッチ”のオンオフがあちこちに点在していて、それがまた心地よかったです。
4、幻想的な空間は、大人の心も整える
そして最後に強く感じたのは、幻想的な空間が持つ“癒し”と“集中”の力です。
万博の中には、明るくにぎやかなブースだけでなく、少し照明が落ちた静かな空間や、やさしいBGMが流れるブースもありました。そこに入ると、子どもも大人も自然と声をひそめて、ふっと呼吸が深くなるような、そんな空気が流れていて「いま自分の感覚が整ってきてるな」と感じる場所だったんです。
そのとき、改めて思いました。センサリープレイは子どもだけのものじゃない。大人にとっても“感覚の栄養”は、きっと必要なんだと。

大阪万博の体験は、「未来のセンサリープレイのヒント」がたくさん詰まっていました。最新技術と、感覚の世界が溶け合って、誰もが“感じる”ことでつながれる空間。これは、これからの教育・福祉・アート、すべてに共通するテーマになると感じています。
センサリープレイが持つ力は、もっと広く、もっと自由に広がっていく。そんな未来を想像しながら、また今日も日本で広がるであろうセンサリープレイの可能性にわくわくするのでした。
© 2025 一般社団法人センサリープレイ協会. All rights reserved. 当記事のコンテンツ(文章・画像等)の無断転載・転用を禁止します。